加賀の白山と常念岳・蝶ケ岳・大滝山・徳本峠・島々縦走
               (2014年07月21日~07月27日)

(第二部 7月24日~7月27日 常念山脈縦走)
 標高2857mの常念岳は大天井岳から徳本峠へ至る常念山脈の主峰です。深田久弥の「日本百名山」の一つであり、安曇野から眺める雄大な北アルプスの山並みの中でも、その美しいピラミダルの山容はひときわ目を引きます。山肌に現れる「常念坊」の雪形は、昔から安曇野の人々に春の訪れを告げる目安として親しまれて来ました。
森林限界を超えた山頂からは槍、穂高連峰の勇壮な一大パノラマを見る事が出来ます。
標高2664mの蝶ヶ岳は常念山脈に属し、ハイマツと砂礫の山頂部からは槍、穂高の眺望が優れ、均整のとれた姿には定評があります。稜線直下には夏季は北アルプスでも有数のお花畑が広がっています。三角点は蝶槍のピークにあり、最高点は南端の長塀ノ頭(2677m)にあります。
蝶ヶ岳の名前の由来は、残雪期の稜線直下に現われる雪形が安曇野から眺めると白い蝶に見える事から名付けられたと言われています。山頂付近は、森林限界のハイマツ帯で、ライチョウの生息地となっているそうです。

 徳本峠(とくごうとうげ)は、長野県西部、北アルプスの霞沢岳東方にある峠。標高2135メートル。1933年(昭和8年)に梓(あずさ)川に沿う車道ができるまでは、松本方面から上高地へ入る登山道でした。近世から森林伐採人夫や飛騨(ひだ)(岐阜県)への旅人の通路であり、北アルプスの近代登山が始まった明治10年代からは登山者に親しまれました。日本アルプスの名を世界に紹介したウェストンは1891年(明治24年)峠からの穂高連峰の夕方の景観に感激の涙を流したといわれています。
 峠には徳本峠小屋があり、松本電鉄新島々(しんしましま)駅から島々谷沢をさかのぼって峠まで約7時間の行程で、上高地側の明神池からは約2時間で達することができます。
この歴史ある峠とクラシックルートを一度訪ねたいという「山ふたすじのたっての希望」もあり、今回の山行を計画しました。
今回歩いたコースの断面図です。 
一の沢~常念小屋今回の計画に当たっては、登山口と下山口が異なるため、マイカーの駐車場をどこにするかという問題がありました。

 ネットでいろいろ調べたところ、南安タクシーでは、登山客の自家用車を1回の利用が1000円で預かるサービスをされており、また寝具やベット等はないが、仮眠希望があれば無料で出来るということが判りました。
(最初の計画では昨秋の予定でしたが、天候の関係で今季に変更したので、夏季に車中泊は暑いので、同社に尋ねたら仮眠する場所にはエアコンもあるとのこと)
 登山口の駐車は車上荒らしの心配もあり、今回は同社のタクシーを利用して登山口に移動することにして、この仮眠施設を利用することにしました。

南安タクシーは安曇野ICを出て約5分の豊科駅の近くにあります。

途中のコンビニで夕食と翌日の食材を購入して行きました。



 (左の画像は南安タクシーのHPから借用)
第3日目 07月23日(水)  移動日  白山市ノ瀬Pより南安タクシーへ移動し、仮眠施設で宿泊
第4日目 07月24日(木))
 南安タクシー駐車場 5:08→5:28ヒエ平(1360m)5:38→9.31常念乗越(2466m)9.53→11:21
 常念岳(2857m)11:25→蝶槍(2664.4m)15:31→15.43横尾分岐(2625m)→15:59
蝶ヶ岳ヒュッテ(2660m) 
山岳指導所の建つ一ノ沢林道終点で登山届を提出し歩き始める。
ヒエ平からは緩やかに一ノ沢に沿って登山道がつけられ何度も沢を渡り返すと大きなトチノキのある山ノ神に着く。
渓流を覆うように伸びたカエデ類の樹木の下を進み、ベンチのある王滝ベンチで小休止。
次第に傾斜の増した道を登っていくと、明るい笠原沢出合に出る。

笠原付近は7月上旬まで一ノ沢は雪渓で覆われいるそうです。
烏帽子沢・笠原沢を過ぎ、烏帽子沢を越えたあたりから常念岳が大きく姿を現してきます。
胸突き八丁でジグザグに一気に高度を上げ最終水場着。

冷たい水で喉を潤し最後の急登に備えて一休み。 
急坂をジグザグに登って行くと「あと800m」と書かれた第1ベンチがあり励みになる。
その後も第2あと500m、第3あと300mとあった。
見えてきた常念岳。山頂は画像の一番高いところの向こうの様だ。 
急坂を登りきると常念乗越に着く。
常念小屋は常念乗越に建つ小屋です。
今回は調子よく登って来て、予定より1時間も早く着いたので蝶ヶ岳迄歩くことにしました。 
常念岳に向かう途中、振り返って見る常念乗越と横通岳方面ですが、この後ガスが濃くなり、直ぐに見えなくなってしまいました。 

常念小屋から稜線上を南へ進む。砂礫の道から、ガラガラした岩の道に変わり、前常念岳から道を合わせると常念岳山頂に着く。
ここからの展望は天気が良ければ上の画像の様な展望が得られるのだが・・・。今日はガスがかかって時折霧雨も降り展望はなく残念でした。
お天気が良ければ常念岳から見えるはずだった展望です。
常念への稜線歩きは天気が良ければ最高に楽しく、パノラマを満喫して常念岳へ向かうはずだったのですが、天気は更に悪化の方向で、先を急ぎました。

天気が悪くなるとライチョウが見られると良く聞きますが、ライチョウも姿を見せました。(*^_^*)
常念岳山頂に着きましたが、何も見えませんでした。



更に天気の悪化も予想されたので直ぐに出発しました。 
常念岳から蝶ケ岳までの間、ずっと素晴らしい槍・穂高連峰を見ながらの稜線漫歩をするはずだったのですが・・・。
これから蝶ヶ岳へと歩く縦走路も、画像の様にこれから歩く方向も見えなくなってきました。 (-_-;) 
一気に大登りをして草地に出ます。
振り返ると常念岳が高々と聳えていて、よくあんなところを下って来たものと吃驚します。

次第に雨も落ち始めて気持ちが焦りました。 
常念岳を下りきり、1つ目のピークを超えて、2つ目のピークを目指して進むと鞍部に出ました。
ここらから最後のピークへの登りです。だが、その先には蝶槍へのきつい登りが待っている。 

高山らしい景観の中、岩礫帯を登ると小さいながら鋭く天を突く蝶槍頂上がガスの切れ間に見えました。
お花畑の中を通りますが、雨になってきたので撮影もままなりませんでした。
蝶槍頂上からは歩いてきた縦走路とこれからたどる蝶ヶ岳の稜線が一望、槍ヶ岳、穂高岳の展望を楽しむはずでしたが、何も見えません。(-_-;)
遠く、野口五郎岳、水晶岳、鷲羽岳なども視野のうちで、左に目をやれば乗鞍岳、御嶽もなだらかな山体を横たえているはずでしたが・・・。(-_-;)

雨用のデジカメを出して上高地の横尾への分岐標識のみ撮影しました。
長かった今日の予定を無事終了蝶ヶ岳ヒュッテに到着。

お天気が良ければ蝶ヶ岳から見えるはずだった展望です。
第5日目  07月25日(金)
 蝶ケ岳ヒュッテ6.30→8.16大滝山(2616m)→10.45大滝槍見台(展望台2364.5m)11.05→
 12.04明神見晴らし(2246.5m)12.17→13.17
徳本峠・徳本峠小屋(2130m) 
朝、ヒュッテ前の高台で穂高連峰の日の出を見る予定でしたが、さっぱりでした。
穂高方面の朝焼けも残念でした。 
昨日お天気が悪かったので撮影しなかった蝶ヶ岳ヒュッテを朝になってようやく撮影しました。

小屋の後方が 蝶ヶ岳山頂。
昨日は見えなかった蝶槍とその向こうに頭は隠れていますが常念岳方面が微かに見えていました。

今日もガスがかかっていますが、雨の心配はない様です。 
朝食後徳本峠に向けて出発。

大滝山へはテントサイトを抜け三俣への分岐から細い道に入る。 
樹林の中の道を進み2542m地点先の池を過ぎるとコバイケイソウの群落。キヌガサソウもたくさん見られ、点々と咲くクルマユリが可愛らしい。
池の中にはカエル?の大きな卵が見られました。
再び岩稜帯に出て鍋冠山の分岐を過ぎ5分ほどで大滝山北峰着。
山名標識だけある小さな山頂です。 
大滝山荘は山頂の一角にあり3分ほど下った所にあります。
池のある窪地に建つ小さな山小屋で夏季の期間だけの営業だそうです。
登山道は栂林の樹林の中で見晴らしが利かない。
展望が利いたのは大滝見晴台と明神見晴台の2箇所だけだった。

大滝槍見台は木の櫓が組まれただけの展望台です。
かなり傷んでおり気を付けて展望台に登りました。
明神見晴らしからの展望です。 
小さなアップダウンを繰り返し徳本峠着。
徳本峠小屋は2010年リニューアルされ、木造2階建てで定員30名収容の施設になっています。
徳本峠から上高地側の展望が素晴らしい。 
第6日目 07月26日(土)
 徳本峠6:05→6.41力水6.45→8:10岩魚留小屋8:15→10:14二俣10..25→12.08島々12.28→
 12.35新島々駅12.52→13.22松本14.09→14.29豊科
 
豊科の南安タクシーで車を受け取り、ほりでーゆ~四季の里で入浴し夕方まで休憩。
 道の駅のアルプス安曇野・ほりがねの里 (567m) で車中泊 
徳本峠小屋ではこの時期ご来光は見えないが妙高方面が赤く染まっていました。 
穂高岳方面は上の方が少し赤くなっただけでした。
今日は素晴らしい天気で、下山するのが惜しいです。 
朝露に濡れた道をこれから島々谷を下山します。 
徳本峠→二俣は、つづら折れで標高を下げ、降りきったところにちから水があり給水可。ここから二俣までは緩い傾斜で下っていきます。

このルートは峠にから谷沿いに歩くのて眺望は得られません。
沢を何度も渡ることになる。

岩魚留小屋までは左の画像の様に、心もとない橋もあり、大雨直後などは入山を控えたほうが良いと思われた。

以降は大きく立派な橋が架けられている。

登山道から滑落すると沢にドボンもあるので要注意。  
休業中の岩魚留小屋。
かなり朽ちてきていました。
岩魚留小屋迄は徳本峠から4.5km。島々迄11.5㎞。 
離れ岩。

沢沿いのコースで、沢の左岸右岸を行ったり来たりしながら距離を伸ばす。
標高は少しずつ下げているものの、トラバース気味の所が多いので、一気には下がらない。
炭焼き釜跡。 
戻り橋  
行き橋 
案内板

二俣→島々:砂利の林道を1時間ほど歩き、最後の20分ほどは舗装路を歩く。
動物避けの柵。
登山口にある安曇支所前バス停
ほりでーゆ~四季の郷に向かう途中に見えた常念岳方面。
ほりでーゆ~四季の郷 
道の駅のアルプス安曇野・ほりがねの里

後方の高い山が常念岳です。
第7日目 07月27日(日) 移動日
  朝5時過ぎに道の駅を出発、安曇野ICから高速道路に入り帰途につき途中休憩しながら17時前に帰宅しました。  
今回見た山野草はこちらからどうぞ。 
今回の山行を終わって
 梅雨明けの時期を狙って、そして土日の人の多い日は山小屋の混雑から逃れるためるには出かける日を決めるのが難しいですね。
最近では小屋も予約していないと泊れない所もあり出かける日程を決めるのが大変です。
今回は下山する日になってようやく安定した天気となりましたが、一番長丁場の日が雨に会い残念でした。
若干のハプニングもありましたが、良い経験が出来たと思うことにします。(*^_^*)