うわさに聞く登山をする人であれば、一度は見てみたい涸沢の紅葉。このうわさにつられて出かけることにしました。今回もマイカーを利用して出かけることにしました。 車で出かける場合、私たちは車中泊をするので何処に車を駐車するかが重要な問題となります。 登山口の上高地は車の乗り入れが規制されており、飛騨側の平湯か松本側の沢渡に車を置いて、シャトルバスかタクシーに乗り換える必要があります。 九州から出かける場合は平湯(あかんだなP)の方が距離的には近いのですが、あかんだなPは車中泊が規制されて出来ないということが判り、止むを得ず松本ICから沢渡駐車場に向かい、ここで車中泊することにして計画を立てました。 紅葉のシーズンは涸沢に2軒ある山小屋は非常に混雑して、1枚の布団に2~3人一緒に寝ることになるとのことを聞いています。そこで久し振りにテントを担いて行くことも考えましたが、結局小屋泊まりで行くことにしました。 |
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今回歩いたコースの断面図です。 |
第1日目 10月8(月) 移動日 | |
今回も山中での山小屋の混雑が比較的少ない平日になるように計画して出発することにしました。 登山口までの移動は、マイカーを利用しました。高速道路の50%割引を受けるためには、土日祝祭日を利用するか、平日は高速道の出入り口を0時~4時の間に通過する必要があります。今回は出発日を月曜日(体育の日)とし、帰り は早朝の4時迄に高速道路に入ることにしました。 自宅を5時半頃に出て八幡ICから高速道路に乗り、登山口近くの松本IC迄約919.0kmを休憩を取りながら走り、松本IC出口を右側「上高地方面」へ行き、国道158号線を約1時間で沢渡駐車場です。 今回の移動では初めてのハプニングがありました。それは高速道路走行中に交通事故の影響を受けて、沢渡駐車場到着が予定よりも3時間も遅れてしまったことです。 原因は中央高速道路の伊北ICと、長野自動車道路へと分岐する岡谷ICの間で2件の交通(死傷)事故があり、事故処理のためこの区間が通行止めとなり、伊北ICで高速を降ろされることとなり、伊北IC出口迄は車の大渋滞となりました。私たちは伊北IC迄、後3.4kmの所から伊北IC迄3時間もかかりました。 ようやく伊北ICが近くなり、そこで高速道路を出ようとしたとき、通行止めが解除されました。私たちの車は一般道路に出る分岐に後10mの所でそれが判りました。急きょ高速道路に戻りそのまま高速道路を走ることが出来ました。 もし一般道路に出てしまっていたら、更に到着が遅れるところでしたので3時間もの渋滞にあったことより、ラッキーと思うことにしました。(*^_^*) |
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沢渡には沢山の駐車場がありますが、今回は沢渡中駐車場(市営第二)を利用しました。 駐車料金はどの駐車場も一日につき500円です。 |
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この駐車場には無料の「足湯」もあります。 | |
駐車場のトイレは、24時間利用可能(無料)夜は、戸を開けると電気がつくセンサーが働く立派なトイレでした。 駐車場関連の3枚の画像は到着が遅くなり、暗くなっていたので下山してきた日に撮影しました。 |
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第2日目 10月9日(火) 上高地から涸沢小屋へのメインルートは、距離にして15キロ、コースタイムでは 6~7時間ほどかかります。 バスは、ハイシーズンになれば4時40分から運行しているとのことです。上高地までのバスの運賃は、片道1,200円 往復2,000円。上高地までの運行時間は、およそ30分です。タクシーは1台4,000円です。 コースタイム 沢渡駐車場⇒上高地BC(1504m)5:41→6:28明神(1530m)6:43→7:26徳沢(1550m)→7:39新村橋 8:20横尾(1615m)8:38→9:38本谷橋(1780m)9:50→12:10涸沢小屋(2350m) (本谷橋からは途中紅葉の写真を撮りながらなので、たっぷりと時間を要しました) |
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今回は連休終了後の平日ということで、バスのダイヤも平日ダイヤとなっていて、5時40分が始発でした。 4時40分に乗るつもりでバスの発着所に行ってそれを知りました。(*^_^*) 丁度タクシーで行く予定の他の人から、もう一人一緒に相乗りする人がいるが一緒に行きませんかとの声を掛けられて、このお誘いに乗って同乗させて頂き、結局バス料金より安く上高地まで行けました。 上高地のバスセンターに着いて、明るくなるのを待つ間に準備の朝食を食べました。 |
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上高地バスターミナルから河童橋に向かいます。 何時もは観光客で人があふれかえっている河童橋は早朝なので人影はまばらでした。 河童橋を左手に見送り、梓川の川岸を小さな上り下りを繰り返しながら「明神」、「徳沢」を経て「横尾」に向かいました。 |
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槍ヶ岳を源流とする梓川(あずさがわ)に沿って歩く。 遠くの山脈に陽が差し始めました。 |
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穂高連峰がくっきりと見え、眼前に迫って来るような 迫力がありました。 | |
明神岳と穂高岳とは? 穂高連峰の一角を占める明神岳(主峰2931m)は、一般には奥穂高岳、北穂高岳、前穂高岳などが主役扱いに対し、脇役の扱いのようです。 しかし、明神岳は古代から昭和初期まで「穂高岳」と呼ばれており、歴史的には穂高連峰の中心は奥穂高でも前穂高でもなく明神岳の連峰群なのだそうです。 穂高の神のご神体(穂高明神)が宿る山として、「穂高岳」を尊称で「明神岳」と呼ぶようになったのだそうです。 |
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梓川を更にさかのぼると、明神に入ります。ここでは先発の人や昨夜ここに宿泊した人の姿が見られました。 更に自然探勝路を進んで徳沢を目指しました。 |
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徳沢まで来ると、紅葉も盛りに近づき、明神岳が手に取るように見えてきます。 | |
徳沢には徳沢園という山小屋風ロッジとキャンプ場があり、多くの登山客で賑わっています。 | |
横尾は、槍ヶ岳、穂高岳、蝶ガ岳への分岐点になっています。 | |
横尾にもキャンプ場があります。 | |
横尾山荘前の横尾大橋を渡り、横尾谷に入ります。 | |
左手には屏風岩の大岩壁が迫力満点です。 やがて、河原を離れ横尾尾根の山腹を登り、屏風岩や北穂高岳の山頂を望みながら登ると、本谷橋に着きます。 |
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涸沢本谷橋は小さなつり橋で、人が歩くと大きく揺れていました。 つり橋の下の河原は格好の休憩ポイント!です。 |
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本谷橋からは本格的な登りが始まります。 屏風岩の麓を周り込むように登っていくと間もなく、穂高の山々に囲まれた涸沢カールが顔を見せます。 涸沢カールの直下に着くと、見事な紅葉が次々に目に飛び込んで来てデジカメでの撮影で、なかなか前に進むことが出来ません。(*^_^*) |
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周囲どこを見ても素晴らしい紅葉です。 | |
涸沢ヒュッテと涸沢小屋との分岐です。涸沢小屋は右手を更に登って行きます。 | |
ここでも紅葉に目を奪われて先に進むことが出来ません。 | |
紅葉の穂高連峰と左の尖った山が涸沢槍ヶ岳です。 | |
涸沢小屋が画面の中程に見えています。 高度を上げるにつれ、紅葉は黄色からオレンジ、そして赤と鮮やかになります。 |
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涸沢小屋の後ろの岩壁の紅葉がきれいでした。 正午頃、目指す標高2350mの涸沢小屋に到着しました。早速受付を済ませて名物の「おでん」や「もつ煮込み」をつまみに生ビールや缶ビール、で乾杯しました。(^^♪ 涸沢は、涸沢ヒュッテと涸沢小屋があり、両方の小屋の間にテントサイトがあります。 |
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テントサイトとその後方が涸沢ヒュッテです。 この日は100張り程度でしたが、3連休中は1000張り程あった様です。 |
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涸沢からは、正面少し左に奥穂高岳がそびえ立ち、その左に、前穂高岳、右に、涸沢岳、北穂高岳と、穂高連峰の主峰が一望でき、大自然のパノラマです。穂高岳山荘も小さく見えていました。 また、涸沢カールは、日本最大規模といわれる氷河の形跡を残しており、夏でも残雪が見られ、手軽な登山基地として人気が高い所です。 |
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第3日目 10月10日(水) 下山道は登山中級者以上で、雪渓が消えている7月下旬以降で、悪天候でないなら、「パノラマコース」(パノラマ新道)がお薦めとの情報を事前に得ました。このコースは屏風のコルまでは険路が続くこと。アップダウンが多く、岩場のへつりもある。補助ロープが何箇所も張られており、垂直に近い岩場を下りるところもあり、たわんだロープもあり、落ちたら止まらないような断崖もあり、転落の危険がある道幅が狭い断崖とのことでしたが、このコースを歩くことに決めました。 コースタイム 涸沢小屋(2350m) 5:25→5.35涸沢キャンプ場(モルゲンロートの撮影)→6.25.涸沢ヒュッテ7.04→7:53 屏風のコル7.57→8:20分屏風の耳(2565m)8:28→8:50屏風のコル9:00→10:20奥又白谷出合10.30→ 10.54遭難碑→11.23新村橋→11:38徳沢(1550m)11:54→12:37明神(1530m)12:55→13.30河童橋 13.38→13:44上高地BC(1504m)13.55⇒14.25沢渡駐車場 |
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朝食を早く済ませて小屋を出発し、テントサイトの後方の岩場で日の出を待ちました。画像は日の出前の5時48分撮影したものです。 | |
モルゲンロートです。6時3分山が赤く染まりました。もう少し下の方にも太陽が当たればと待っていましたが、どうやら後方の山の陰で陽はささない様で残念でした。 撮影する場所はもう少し下がった涸沢ヒュッテ寄りの方が良かったのかもしれません。 涸沢ヒュッテの屋上テラスはカメラマンや人が鈴なりでした。 |
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涸沢ヒュッテから階段を下ると直ぐにパノラマ新道の分岐があります。 そこには「熟練者のみ通行可」という意味のただし書きがあります。 |
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画像はコースの入口です。 | |
涸沢から前穂高岳の北尾根の縁に沿って少しずつ高度を上げていきます。 途中足場の悪い箇所が何ヵ所かあるが慎重に進めば問題は無いと思いました。 しかし、通行はあくまでも自己責任です。 但し、積雪時や雪渓が残っている時期や、雨天のときは避けた方が無難な所です。 |
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少し歩くと槍ヶ岳が見えていましたので、紅葉の間に槍ヶ岳を入れて撮影してみました。 | |
振り返ると、涸沢カールが遠くなり、涸沢ヒュッテと涸沢小屋の2軒が見えていました。 高度が上がるにしたがい、涸沢の全景が望め槍ヶ岳も見えてきます。 |
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涸沢ヒュッテから1時間弱程で断崖は終わり、屏風のコルに着きました。 コルから下り始めるところが屏風の耳への分岐となり、ここにリュックをデポして登りました。 |
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屏風のコルから急な岩場を登り高度を上げて行くと、周囲の紅葉が突然鮮やかになります。 | |
小さな池を廻り込み東側に出ると、コルから25分弱で標高2565mの屏風の耳に立つことが出来ます。 小さな池の所で小鳥が飛んだので見るとルリビタキの♀でした。撮影しようとデジカメを出しましたが、動き回られて結局撮影できませんでした。 |
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屏風の耳からからの展望画像です。個別には下記をご覧ください。 |
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屏風の耳から見た屏風の頭です。 | |
槍ヶ岳が遠望できました。 | |
左から涸沢岳~北穂高岳~大キレット~南岳~中岳~大喰岳~槍ヶ岳と続く山脈です。 | |
上の画像の更に左側の方面です。 前穂高岳~奥穂高岳~涸沢岳~北穂高岳へと続いています。 |
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遠くには富士山や8月に歩いた八ヶ岳や中央アルプス、南アルプス等が360度の眺望で望めました。 | |
東側には蝶ヶ岳から常念岳への稜線が望めました。 | |
屏風のコルまで戻り、パノラマ新道を新村橋に向けて下っていきます。前穂高岳北尾根の山腹を廻り込みながら徐々に高度を下げていきます。際立って危険な場所はありませんが、大きな岩がゴロゴロする足場の悪い道が続きました。1時間半弱で奥又白谷出会に着きました。 | |
下る途中で林の中に井上靖の小説「氷壁」のモデルとなった「ナイロンザイル事件の原点の地」と書かれた記念碑がありました。 ナイロンザイル事件・・・昭和30年1月2日、厳冬の前穂岳東壁の岩場で新品の8mmナイロンザイルが簡単に切れて3人パーティの1名が墜死した。井上靖の小説「氷壁」のモデルになった事件です。 |
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記念碑からは沢に沿って下り、さらに梓川沿いに下ると新村橋に着きます。 林道を右に行くと明神池で、そのまま右岸を行くことも出来ますが、左に行って新村橋を渡り、また徳沢を通って上高地まで歩きました。 |
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上高地からは、バスで沢渡の駐車場へ向かいました。 | |
上高地バスセンターからさわんど駐車場にシャトルバスで戻り、さわんど温泉梓湖畔の湯で入浴しました。 | |
入浴の後は、今夜車中泊する予定の「道の駅ななもり清見」へ、158号線、有料の安房峠道路等を通り向かいました。 画像は「道の駅ななもり清見」です。 |
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第4日目 10月11日(木)移動日 3時に起床し準備して高山西インターから高速道路に入り飛騨清見ICから高速道路(828.6km)を走り帰途につき15時頃に帰宅しました。 |
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今回の山行はインターネットで紅葉情報を調べて山行日を決めました。今年の紅葉は良い方の部類だった様で、タイミングの良い紅葉観賞山行が出来ました。 涸沢小屋では当初布団1枚に2名と言われていましたが、小屋の見込みが違ったのか?結局布団1枚に一人で寝られてラッキーでした。(^^♪ |