八ヶ岳周回縦走 (2012年7月29日~8月2日)

 八ヶ岳は山梨県と長野県とにまたがり南北に約30キロ、東西に約15キロに広がった山脈で、夏沢峠を境にその北側を北八ヶ岳、南側を南八ヶ岳と呼ばれています。
八ヶ岳の名前がいつ頃から使われたかはっきりとしていませんが、多くの峰が連なる山容と、「八」は古くから多数の意味に用いられており、多くの峰の総称ととして使われるようになったのでは? と思われます。
 雄々しい山々が連なる大迫力の眺望。四季折々に様々な表情を見せてくれる素晴らしい自然。八ヶ岳は日本を代表する人気のアルペンスポットです。その魅力は多彩なルート。ハイキング感覚の山歩きから本格派登山まで、様々な楽しみ方が選択できます。また「白山・白馬とともに高山植物の3大宝庫の一つでもある八ヶ岳連峰は、珍しい花々の楽園として幅広い層のファンを集めています」との紹介文に誘われて出かけました。(^^♪
今回歩いたコースの断面図です。
第1日目 7月29(日) 移動日
  今回も山中での山小屋の混雑が比較的少ない平日になるように計画して出発することにしました。
登山口までの移動は、マイカーを利用しました。高速道路の50%割引を受けるためには、土日祝祭日を利用するか、平日は高速道の出入り口を0時~4時の間に通過する必要があります。今回は出発日を日曜日とし、帰りは早朝の4時迄に高速道路に入ることにしました。
 自宅を5時半頃に出て八幡ICから高速道路に乗り、登山口近くの諏訪南IC迄約914.5kmを休憩を取りながら走り、諏訪南ICから県道425号線を八ヶ岳美術館を目指して約10分走り、そこから「やまのこ村」の案内板に導かれ約20分走り「やまのこ村」に18時頃に到着。ここで駐車料金3日分(1日1000円)を支払い、領収証をフロントガラス張って、そこで車中泊しました。
やまのこ村(標高1700m)
やまのこ村駐車場
第2日目  7月30日(月)
やまのこ村駐車場(1700m)5:40→8:07行者小屋(2354m)8:26→09:35縦走路分岐9:45→10:12
阿弥陀岳(2805m)10:24→10:53分岐10:58→11:35文三郎尾根分岐11:40→12:10赤岳(2899m)12:20
→12:25頂上小屋
12:35→13:13赤岳展望荘(2722m) 
やまのこ村から少し登って行くと美濃戸山荘の前に出ます。 
美濃戸山荘前で柳川南沢コースと、柳川北沢コースが分岐しますが今回は南沢コースを歩き、沢に沿って川を何度も渡り返し進んで行きました。
概ね原生林の中を登る為、眺望は期待できません。 

行者小屋まで急登は無く、全体として一定のペースで歩くことが出来ますが、山野草に興味のある私たちはヤマオダマキが次から次に見られて撮影に時間をくいました。(^^♪
行者小屋近くになると河原が広がり横岳、大同心、小同心などが眼前に現れます。
撮影した時間帯は、逆光のため荒々しい山肌は判りません。
行者小屋が赤岳への登山道の拠点になり、右方向に向かえば文三郎道、行者小屋の裏手からは地蔵尾根のコースが始まります。
両ルート共に傾斜が一気にきつくなり途中には梯子や鎖場が出て来るそうです。
ここで小休止して行きました。
私たちは、文三郎道を10分程登ったところから右折して阿弥陀岳へ登ることにしました。
画像はその分岐点です。
阿弥陀岳への分岐と中岳のコルにザックをデポして、サブザックで阿弥陀岳へと向かいました。

中岳のコルから阿弥陀岳山頂までのルートには、途中に梯子や鎖場がある急峻なルートです。
阿弥陀岳は南八ヶ岳の主稜線からは外れているが、山容は厳しく尊厳さえ感じる一峰です。
信仰の山らしく山頂には石碑、石仏が祀られていました。
画像の後ろがこれから向かう赤岳です。
阿弥陀岳から、急坂を注意深く降りて中岳のコルに戻りました。
ここでデポしたザックを回収して中岳へと向かいました。
画像の緑が濃い山が中岳です。
文三郎尾根は阿弥陀岳からも見えていましたが、中岳を過ぎ赤岳へ向かっていると、左の方にひたすら登ってくる文三郎道がよく見えます。
文三郎道分岐では双方向から登ってきた登山者が大勢休んでいらっしゃいました。
文三郎道分岐から少し登ると、左の画像の分岐点に出ます。ここからは南に延びるキレットを挟んで権現岳へ向かう縦走路です。

赤岳へはこの岩場を登ります。頂上間近の岩場では鎖を使って力で登る箇所がありました。
山頂はたくさんの登山者で賑わっています。
赤岳は八ヶ岳連峰の最高峰です。堂々とした山容は名実とともに主峰にふさわしく、諏訪側の夕日に燃える壁は、まさに赤岳の名の通りの様だとのことです。
天気が良ければ360度の展望が見れるそうですが、この日は阿弥陀岳に向うころから、次第にガスが出てきて展望はありませんでした。
赤岳には二つのピークがあり、南峰に赤嶽神社が祀られて、北峰には赤岳頂上山荘がへばりつくように建てられています。
当初は赤岳頂上山荘に宿泊予定でしたが、到着時間も早く展望もないので、キンキンに冷えたビールで喉を潤した後(^^♪、翌日のことも考えて赤岳天望小屋へと向かいました。
赤岳天望山屋。
ここの標高は2722mで、水は天水を使用していますが、お風呂の設備もあります。
食事はバイキンク方式で、お茶とコーヒーは飲み放題でした。
 昨年他の山小屋で相部屋になったご夫婦の、鼾の大合唱に眠れなかった苦い経験があったので、今年は耳栓を準備していきましたが、今回は奮発して個室に変更したため耳栓は不用で快適でした。(^^♪
第3日目 7月31日(火)
赤岳天望小屋(2722m) 6:00→6:05地蔵の頭→6:59分三叉峰(2825m)7:03→7:20横岳7:35→8:17
硫黄岳山荘8:22→8:45硫黄岳(2760m)9:09→9:54夏沢峠10:04→
10:38根石山荘(2,550m)10:58
→11:07根石岳
→11:34東天狗岳→11:46東天狗岳12:01→12:40根石山荘13:10→13:56オーレン小屋(2330m) 
このところの遠征山行ではなかなかすっきりしたご来光に恵まれていませんでした。今回は前日のガスもすっかり晴れて、年間でも片手に数えられる位の好天になって、ご来光を拝めました。\(^o^)/
日の出は4時46分でしたが上空にあった薄い雲が茜色に染まりました。
富士山もよく見えました。
画像は赤く染まる赤岳です。 
北アルプスの穂高から槍ヶ岳に連なる山脈も遠望できました。
今日向かう横岳方面の展望です。ここからは八ヶ岳のメイン稜線歩きです。

歩き応えのある登り降りの繰り返しの連続が続いています。
小屋から5分も歩くと地蔵尾根の分岐に出ます。ここにはお地蔵様が祀られていました。

ここを左折して大勢の登山者が下山していきました。
横岳とは稜線に連なる岩峰群の総称で赤岳側から順に日ノ岳、鉾岳(ほこたけ)、石尊峰(せきそんほう)、三叉峰(さんじゃほう)、無名峰、奥ノ院といった名前が付けられています。

主峰・赤岳から続く横岳の縦走路は南北に連なるスリリングな主脈の岩峰群を縫うようにしてあり、そこには鎖場や梯子場でのアップダウン、トラバースなどを繰り返す変化に富んだルートでした。
特に日ノ岳の鎖場と奥の院近くにある「カニの横這い」「カニの縦這い」は高度感もあり緊張を強いられるとガイドブックには書いてありましたが、通過して何処がそれであったのか気付かないままでした。(*^_^*)
左の画像は三叉峰の標識です。
八ヶ岳の中でも横岳の岩稜には多種多様な高山植物が密集して咲き見事なお花畑を作り出しますが、その花季は。6月下旬から始まるそうで、今回歩いた時は少し遅かったようで残念でした。
横岳の山頂標識です。 
横岳から見る大同心ですが、凄い迫力ですが、画像ではあまり迫力を感じませんね・・・。
硫黄岳山頂。
硫黄岳の南北両側に巨大な爆裂火口跡があり、特に北部は600mに及ぶ切り立った爆裂火口となっています。火口底にある本沢温泉には乳白色の温泉が湧き出ているそうです。
硫黄岳から硫黄岳山荘に向けて下ってきた辺りから横岳大同心、小同心を中心とした赤岳方面まで一帯の稜線を縦走する登山道は、吹き上げる西風の影響などから(時として足元が見えないぐらいの)濃霧に見舞われやすく、落石や道を見失って迷ったり、転落、スリップに注意を要します。
横岳付近の登山道には逸れ行き別れになってしまった仲間への書置きや追悼登山の石積みが多く見られます。
画像は硫黄岳山荘です。
硫黄岳山頂から横岳、赤岳、中岳、阿弥陀岳方面の展望です。
硫黄岳山荘周辺は八ヶ岳の中でも高山植物が多い場所として知られ、コマクサの大群落地が形成され、また、稜線の東面にはウルップ草やキバナシャクナゲが広範囲に自生しています。

画像はコマクサの大群落です。

キバナシャクナゲは終了していました。
夏沢峠への下り、そしてその向こうはこれから向かう天狗岳方面です。
夏沢峠には2件の小屋があります。
八ヶ岳は別名「小屋が岳」といわれる位小屋が多い所です。
右側の山が根石岳で、左奥の山は西天狗岳です。
根石岳の左裾野に見えるのが根石山荘です。
当初はここに宿泊する予定でした。早く着いたので翌日予定の天狗岳を往復することにしまた。根石山荘の方に尋ねると往復約3時間位でしょうとのことでしたが、サブザックで往復したため、2時間弱で往復出来たので翌日のことを考えて、もう一つ下のオーレン小屋へと向かいました。
天狗岳は夏沢峠の北方に位置し、二峰からなります。
岩峰の東天狗に対し、小鞍部の西にハイマツに覆われた西天狗岳があり、西尾根が唐沢鉱泉に派生しています。
東天狗岳山頂から見る西天狗岳です。
西天狗岳山頂。
西天狗岳からの硫黄岳赤岳方面の展望です。
西天狗岳からの根石山荘が眼下に見えていました。
オーレン小屋は標高2330mの位置にあります。
電気は水力を利用した自家発電で電気はふんだんに有り、風呂もありました。
食事も美味しいものが頂けました。

この宿は多いときには250人位宿泊することがあるそうですが、この日の宿泊は10名で、個室を利用させていただきました。
小屋前の沢に「オーレン強清水」の説明書きあり。同じ水の蛇口・沢の水いずれも無料で飲めます。水は冷たくて美味しかった。
テント場も直ぐ傍にあります。
第4日目 8月01日(水)
オーレン小屋6:07→7:27赤岩の頭7:35→8:42赤岳鉱泉9:03→10:04北沢→11:46やまのこ村
オーレン小屋からシラビソの樹林の中を赤岩の頭へ向けて標高差約350mを登って行きました。
赤岩の頭へ向かう途中振り返ると穂高から槍ヶ岳へと続く山脈が見えていました。
赤岩の頭です。昨日歩いた硫黄岳の山頂はすぐ近くです。

赤岩の頭では昨日歩いた天狗岳~硫黄岳~赤岳の稜線が一望できました。
小休止後、赤岳鉱泉に向けて下山開始です。ここからは樹林帯に入りますので、特に展望はありません。
標高2300mにある赤岳鉱泉です。
赤岳鉱泉で休憩した後、テント場横を通り下山開始しました。
このテント場は水も豊富にあります。

北沢経由で下山しましたが、途中の北沢から先が林道を歩いたり再び登山道路に入ったりします。
しっかりした標識が無いため少し不安を感じましたが、下から登ってくる人たちに出会い、道を間違えずに下山できました。
下山後、諏訪南ICに向う途中の樅の木荘もみの湯で入浴汗を流し、そこでゆっくりと休憩時間調整をして、諏訪南IC近くの駐車場で車中泊しました。
第5日目 8月02日(木) 移動日
翌朝3時に起床し準備して諏訪南ICから高速道路に入り帰途につき16時少し前に帰宅しました。
今回山中で撮影できた鳥さんです
イワヒバリです。
この鳥は山中でよく見かけましたが、デジカメを出すと飛ばれて撮影できないの繰り返しでした。(*^_^*)
  オーレン小屋で撮影したウソ♀です。
♂は喉元が赤いのですが、動きが早く撮影できませんでした。
今回の山行で見た花たちです
(八ヶ岳は他のアルプスより花季が早くて既に終了しているものが多く残念でした。) 

タカネグンナイフウロ

タカネコウリンカ

チシマギキョウ 

コバノコゴメグサ 

イワベンケイ

タカネツメクサ

ミネウスユキソウ

チョウノスケソウ 

クロクモソウ

コメバツガザクラ

ムシトリスミレ

リンネソウ

イワオウギ

ミヤマオダマキ

オヤマノエンドウ

ウルップソウ

白いコマクサ

コマクサ

白いコマクサ

クルマユリ

オサバグサ

キバナノコマノツメ

ツマトリソウ

テガタチドリ 

ソバナ

ヤマオダマキ