カタクリの寂地山を訪ねて

日   時 2006年4月22(土)前泊、23日(日)
場   所 寂地山(山口県)
メンバー
(敬称略)

ヤマメ11、八太郎、マッキー、山ふたすじ、山いちご、さなえ、羽峡、Taka(レポート担当)

コース及び
タイム
【4/22(土)】16:00寂地峡キャンプ場集合
【4/23(日)】寂地峡キャンプ場(7:45)→木馬トンネル(8:05)→みのこし峠(10:00-22)→寂地山(11:27-12:18)→林道(13:05)→犬戻しの滝(13:42)→犬戻し峡入り口(14:00)

3月22日(土曜日)雨:寂地峡キャンプ場へ集合
カタクリの花を見に行こう!
今回の参加者の約半分が寂地山は初めてあるので、カタクリに心弾ませて九州から関門橋を渡った。 22日(土)夕方、寂地峡キャンプ場へそれぞれが三々五々集合。 Taka、山ふたすじ、山いちごは朝から九州を出発し、足慣らしに防府の名峰「右田ガ岳」へ登った後、キャンプ場へ向かった。午前中仕事のさなえちゃんは、遠く宮崎から前夜に来たマッキーさんと午後から福岡を出発し、途中の鹿野SAでTakaらと合流しキャンプ場へ。キャンプ場へ着くと、先ずは5人で早速宴会開始。仕事のトラブルで参加が危ぶまれた羽峡さんは根性で夜到着。羽峡さんは立て続けに一気に杯を重ねる。ヤマメさんと八太郎さんは仕事後、夕方出発しさらに遅れて夜中に到着した。既にメンバーはかなり出来上がっていたのは言うまでもない。外は雨がシトシト降っているが、酔っ払い数名は深夜まで元気だ。マッキー節、本州山口でも炸裂!熊もビックリ!

3月23日(日曜日)曇り

6:00起床。皆さんの日頃の行いがいいのか、前日からの雨は止んでいる。前夜の宴会の残り物を朝飯として胃に流し込んだ後、早速出発準備をする。が羽峡さんが連日の過酷な仕事疲れが出たのか体調がすぐれず今回は下界で留守番、車回し役をお願いした。もう1台の車を犬戻し峡林道の遊歩道入り口にデポしにいく。
雨は止んでいるが、空は曇より。7:45、寂地峡キャンプ場を出発する。
前夜の雨のせいか、五龍の滝はすごい水量であり迫力満点であった。登山口入り口にある「延齢水」を、山ふたすじさんとさなえちゃんがゴクゴクと飲んでいた。二人とも、きっと魔女になるまで長生きするに違いない。
水量豊富な五龍の滝は見ごたえがある。怒涛のごとく流れ落ちる水しぶきを見ながら、その横の急な階段をヘーヘー言いながら登る。昨夜の酒がゲップで上がってくる。
五龍の滝の急な階段を登り切ると「木馬トンネル」に出る。木目トンネルは長さは短いが、岩を穿ったような真っ暗なトンネルで灯りもなく、おまけに最低高さが160cmと低いところがあるので、大人は腰をかがめておそるおそる歩いていかないと、頭を一度天井の岩にぶつけたら、赤い血を垂らしながら以後の登山を続けなくてはならないハメになるのである。が、「わ〜!私は大丈夫だあ!」と山いちごさんが一人、腰もかがめめず悠々と歩いていた。(注:山いちごさんは大人です。)
木馬トンネルを抜けると、明るい沢沿いの道となる。霧雨に煙った新緑の中、急な登りもない緩やかな沢沿いの快適な道を行く。今年は気温が低いせいか、残念ながらミツバツツジはまだ固い蕾だ。
沢沿いの道は花が多く、目を楽しませてくれる。花好きの山ふたすじさんの話し声が途絶えない。
シュンラン、エイザンスミレ、チャルメラソウ、タチカメバソウ、エンレイソウなど、花を見ながら賑やかにのんびりと進む。
しかし、若干1名、GWアルプス遠征のボッカ訓練を兼ねたヤマメ会長だけは額に汗ビッショリである。たまりかねたのか、途中からマイペースで一人先へ行く。
花の写真では八太郎さんのデジタル一眼が大活躍する。
シュンラン エイザンスミレ
沢沿いの道が途中から左側の沢に変わると、登りが急になってくる。ジグザグ状に高度をかせぐように登って行くと、縦走路の鞍部のみのこし峠で飛び出る。天気は回復が遅れているようで、まだ霧雨状に煙っている。
さあ!カタクリはどうだ!とあたりを見回してみるが、カタクリはいっぱい出ているが、残念ながら、まだ早いせいか固い蕾でうなだれている。みのこし峠から右谷山あたりのカタクリはこの周辺では一番開花が早いほうであるが、今年は寒いせいか、まだ蕾であった。例年であれば、一面ピンクに覆われたカタクリ縦走路を満喫できるのであるが、残念!
天気も今ひとつなので、右谷山には行かず、寂地への縦走へ向かう。
一つでも開いているカタクリはないか!と、皆さん登山道の周りをキョロキョロしながら進む。
天気は回復が遅れており、白いガスに覆われたブナ林が静寂な雰囲気をかもし出している。足元のカタクリは霧露がかかり、ほとんどが固い蕾を閉じてうつむいている。
「あれ、見て〜!」と山ふたすじさんの黄色い声が静寂なブナ林をつんざいた。登山道の近くに、一輪だけ完全ではないがほのかに開きかけた華麗な姿のカタクリが「さあ、見て〜!」と言わんばかりに我々にその存在を主張していた。
沈み込んでいた皆さんの気持ちも、この一輪のおかげで一気にハイテンション。代表して、八太郎さんが自慢の一眼で写真を撮る。雨の雫に濡れ、恥ずかしそうに開きかけたカタクリの姿態はなんともなまめかしく誘っていた。

開いたカタクリを見つけ皆さん、にっこり!

水も滴るいいカタクリ!(八太郎氏撮影)
「さあ!これからだ!」と一輪見つけて、今後のカタクリ群生に期待を持たせてくれたのも束の間、寂地へ向かうにつれその標高は次第に高くなり、登山道脇のカタクリの姿も寒さに蕾すら見えなくなってくる。
おまけに、目の前には白い残雪が現れてくる始末でとてもカタクリどころではなくなってくる。今年の冬は雪が多く、また寒さも最近まで続いていたせいか今年は残雪も多い。この辺りは、今年の3月初旬の積雪時に来た時には、積雪が2m近くの雪があったと推測されるところで、その時のラッセルの喘ぎが蘇ってきた。
これでは今回はカタクリは無理だなと深刻に沈み込んでいると、横ではさなえちゃんと山いちごさんらが残雪にはしゃいでいた。
南寂地山を越え林道分岐のあるブナの広場付近は全く雪はなかったが、残念ながら開花したカタクリの姿はなかった。
林道分岐の広場を過ぎると、登山者が多くなる。天気も漸く回復してきたようで、日差しが出てくる。
心地よいブナ林の中、皆さんの足取りも軽く、ほどなく寂地山頂へ到着!

寂地山頂集合写真
寂地山頂は登山者でごった返しているが、運のいいことにちょうどテーブルが空いた。少し早いがここで昼食。ボッカ訓練のヤマメ会長のザックからは水が山ほど出てくるので、水には事欠かない。昨日に飲みすぎたせいか、手持ちのビールも少なく、分けあいながら飲む。
隣では熊本から来た団体さんが賑やかに記念写真を撮っていた。我々も全員並んで山頂写真を撮影。
下山は林道分岐まで戻り、犬戻し林道へ下る。ここから林道までは時間的には短いが、かなりの急な下りとなる。寂地杉林の中の下りはまだ残雪で覆われていた。天気が良くなってきたので、雪が解け始め、登山道はドロドロ田んぼ状態。
一気に下るとあっという間に林道に出る。
ここからはしばらく林道を歩いた後、途中から犬戻し峡の遊歩道散策路へ入る。ちょうど、その遊歩道への降り口に、見覚えのある車が一台止まっていた。羽峡さんであった。体調も戻ったようで、ここまでお出迎えに来てくれていた。
犬戻しの滝は前夜の雨で水量も多く、見ごたえがあった。沢沿いの心地よい遊歩道をしばらく行くと、あらかじめ車をデポしておいた車道へ出る。羽峡さんの車も合流して、寂地峡キャンプ場へ戻る。
下山後は「魅惑の里」温泉に入り疲れをとる。

例年のこの時期であれば、縦走路いっぱいに花開いたカタクリロードを歩けたはずであったが、今年は例年より寒く、まだ開花には早かったようで非常に残念であった。
カタクリはまたいつかの楽しみとして、一路九州へ戻る。

今回、遠くから参加していただいた、マッキーさん、山いちごさん、帰宅も遅くなり大変お疲れ様でした。