雪の右谷山〜寂地山〜安芸冠山縦走

●●雪山訓練に最適なコースを紹介します●●

親しい友人が組織する九州さんらく会が雪山訓練を実施することになりました。
事務局長の沢グルメさんから、アドバイザーとして参加の要請があり、
喜んで皆さんと雪の縦走を楽しんで来ました。
ワカン歩行、ビッケル操作、滑落停止、雪上確保など基本の練習を行いました。
コースの半分はトレースがなく、ことの他、時間がかかりましたが、
GWのアルプス山行へ向けて、気合の入った皆さんは、終始元気一杯でした。
私の拙い知識がお役に立てば幸いです。
●月日 2006年3月4日〜5日 1泊2日  ●天気 ともに快晴
●参加者 <敬称略>
 山ふたすじ:綾吉:沢グルメ:TAKA:天唐渓遊:ヤマメ11:山旅人
●参考コースタイム
 3月4日 寂地峡駐車場(9:57)〜木目の滝分岐(10:58)(11:20)
  〜寂地山歩道ルート登山口(11:36)〜休(12:10)(12:25)
  〜右谷山林道終点(12:50)(13:08)〜支尾根(13:52)(14:05)
  〜縦走路(14:12)〜右谷山(15:17)(15:42)〜みのこし峠(16:18)
 3月5日 みのこし峠(7:00)〜休(7:40)(7:50)
  〜寂地峡分岐(8:50)(9:02)〜寂地山(9:10)(9:18)
  〜休(9:55)(10:08)〜松ノ木峠分岐(10:31)
  〜安芸冠山(11:13)(12:00)〜休(12:35)(13:00)
  〜潮原温泉駐車場(13:55)
●参考ルート図

●注意事項
 浦石峡の寂地山歩道ルート登山口から薮ケ垰<たお>を経由して、
 右谷山へ向かうのが正式なルートです。
 今回の山行は積雪時のトレーニングを目的にしていますので、
 正式なルートを外れ、右谷山林道を終点まで歩きました。
 このHPを参考に、同じルートを歩かれる場合は、
 寂地山歩道ルート登山口からの入山をお薦めします。

南寂地山付近から安蔵寺山方面を望む
●寂地峡駐車場
2台の車で北九州市を出発する。
1台を下山地の潮原温泉駐車場に
デポして寂地峡駐車場へ移動する。
駐車場には1台の車があった。
今回のコースは浦石峡からの入山で
トレースの期待はゼロである。
準備をしてから出発する。
●宇佐八幡宮
大分県にある宇佐八幡宮の分社?
の八幡宮があった。鳥居の前を
通過して木目の滝を目指す。
道の分岐点には
標識があり間違う場所はない。
●林道のツボ足ラッセル
林道は右谷山林道と呼ぶらしい。
段々と雪が出て来て雪山らしい
雰囲気になって来た。
さんらく会のメンバーはグルメ志向の
人が多く1泊2日の行程だが
酒&食料でザックは重そうだ?
天唐渓遊さんの80Lのザックは
パンパンではち切れそうだ。(^^ゞ
●木目の滝を見る
木目の滝への分岐点でワカンを
着装する。今回はワカン歩行も
重要な練習メニューになっている。
男性5分:女性2分30秒で交替に
ワカンラッセルして前進する。
左手下にはナメの木目の滝が
見えていた。
●登山口の道標
更に前進すると薮ケ垰<たお>
から右谷山へ向かう歩道の登山口
がある。雪が深そうなので我々は
右谷山林道をそのまま進むことに
した。この林道は地図には記載が
なかった。
●右谷山林道を進む
積雪は50センチはありそうだが
ワカンが有効に決まり脛程度の
沈み込みで済む。
ワカンの効用が再確認出来た。
●林道脇の標識
途中の林道脇に大きな標識が
立っていた。現在地が記してあるが
深雪の影響もあり
余り距離は稼いでいないようだ。
●右谷山林道の様子
林道には小さな二俣があるがメイン
の道を選択して進む。
堰堤のような場所から左折するよう
に林道が伸びていた。ここに
ショートカットの赤テープがあった
ので沢グルメさんが偵察に行くが
腹まで埋没してしまう。
ショートカットを諦め忠実に林道を
歩くことにした。
●右谷山林道の終点広場
右谷山林道は地図には記載がない
ので何処まで通じているのか?
縦走路まで行っているかもしれない
と期待して歩いたが途中で途切れて
いた。終点は小さな広場になって
いる。地図で方向を確認して
左手上の縦走路目指して
杉の植林帯を直登することにした。
この広場から縦走路へ上がる登山道
があるかどうかは確認出来なかった。
●支尾根で休憩する
林道の終点から猛烈な急登を
45分間ラッセルする。やがて
傾斜の緩やかな支尾根に出る。
薮ケ垰から右谷山への縦走路は
目前に見えていた。
●小五郎山を望む
支尾根にあがると左手に台形をした
小五郎山が見えて来た。
標高は低いがナカナカ綺麗な山だ。
午後から気温もあがりワカンに雪が
纏わりつくようになり体力を消耗する。
●縦走路の道標
ほどなく縦走路に出た。
コース上には立派な道標がある。
雪が段々と深くなり僅かな距離の
行程にも時間がかかる。
この標識から右谷山へ600M
進むのに25分も費やす。
●右谷山の山頂
今日は寂地山手前の鞍部で幕営
の計画であったが予定を変更して
みのこし峠までとする。
右谷山はカタクリで有名な山だそう
でTAKAさんはその季節に何度も
この山へ来ているそうだ。
●みのこし峠のテント場
九州さんらく会の新鋭:綾吉さんは
パワフルな女性会員だ。
テント場の整地にワカンを履いて
大活躍していた。(^^♪
整地をしてテントを2張り設営する。
夜は皆さん提供のご馳走攻めに遭い
持参した食料は何も減らなかった。
最後はヤマメ11さんお得意定番の
焼きソバで腹一杯になる。
●寂地山へのラッセル
翌日は4時50分起床し7時には
出発する。トレースのない雪面に
足跡を残して歩くのは気持ちの良い
ものだ。栄養補給の効果か?
前日の疲労も回復して
皆さん快調な足取りで前進する。
●快調なメンバー
先頭を歩く山ふたすじさんは還暦を
迎えて益々パワーアップしている。
夏には西穂高〜奥穂高岳縦走の
リーダー<担当>を務めるそうだ。
疲れも見せず黙々とラッセルに
汗を流していた。
●南寂地山の登り
寂地山鞍部の手前に南寂地山が
ある。この小さなポコを越えれば
寂地峡分岐は近い。
●安蔵寺山を望む
冬枯れの季節で縦走路から付近の
山が見えていた。中国地方の山は
不案内で山の名前が分からない。
帰宅して確認すると写真の山は
安蔵寺山のようだ。
●寂地峡への分岐
寂地峡<寂地林道>分岐へ着くと
明解なトレースがあった。
これなら楽に冠山へ行けそうだ。
皆さんの喜んだ顔が印象的であった!
●寂地山の山頂
トレースがあると行程がはかどる。
8分で寂地山へ着く。
山頂は大きなブナ林に囲まれて
気持ちが良い。このトレースは何処
まで続いているのか解らないので
先を急ぐことにした。
●冠山へのトレース
丹念にトレースを辿る。
前日と違いどんどんと距離を稼ぐ。
松ノ木峠分岐まで平坦な尾根道が
続く。尾根が広いのでガスの時は
細心の注意が必要だと思った。
●松ノ木峠への分岐
松ノ木峠&安芸冠山のT字路には
写真の小さな標識がある。
この標識を見落とさないように注意
しょう。ここからルートは左折する。
●ダイレクトに冠山へ
トレースは安芸冠山から南へ派生する
尾根に向かっているようだ。
我々はワカン歩行訓練の仕上げを
兼ねてトレースから離れてダイレクト
に冠山を目指すことにした。
この付近の積雪は優に1Mを越えて
いるようだがワカンが有効に決まる。
●山頂下の急登
山頂手前は相当な急坂である。
ここで先頭はピッケルやストックを
使ったラッセル訓練をしながら山頂を
目指す。ラッセルは体力勝負だ!
●安芸冠山の山頂
山頂手前でトレースに合流して
難なく安芸冠山へ着く。
我々が山頂で休憩していると大勢の
登山者が潮原温泉から登って
来た。流石に安芸冠山は
中国地方の名山である。
●雪上確保の練習
山頂の斜面を使いセルフビレー用
のアンカーの作り方や雪上確保の
練習を行った。
写真はスタンディング・アックス・ビレー
の練習に励む皆さん!
●安芸冠山を見る
座る場所もない位の登山者で山頂は
満員御礼となる。我々は雪山訓練
を切り上げて下山する。
振り返ると安芸冠山が雄姿を見せて
いた。
●耐風姿勢の練習
下山途中の斜面を利用して滑落停止
&耐風姿勢の練習をする。
今回はアイゼンを履く機会がなく
アイゼン歩行の練習が出来ず残念で
あった。
●クルソン本谷を渡る
山頂からクルソン谷コースを使い
下山する。国体コースは最近ルート
の変更があったようだ。
●下山地の潮原温泉:松かわ
650円の入浴料を支払い2日間の
汗を流す。沢グルメさんとヤマメ11
さんが入山口の寂地峡駐車場まで
車を取りに行って下さる。
<往復45分>
その後2台の車で帰宅する。