山ひとすじの
山行報告
  祖母山・障子岩尾根縦走  〜祖母山〜

場 所:祖母山・障子岩尾根(大分県)
山行日:平成12年11月4日〜5日
参加者:山旅人・若造・八太郎(以上ニフティ山フォーラム)・山ひとすじ夫婦
コース:1日目 尾平青少年旅行村〜黒金尾根〜祖母山〜祖母山九合目小屋(泊)
     2日目:祖母山九合目小屋〜宮原〜池の原〜八丁越〜大障子岩〜前障子岩〜上畑

【はじめに】
10月7日に山旅人さんのHPで11月4日・5日に祖母山と障子岩尾根を歩きたと思っているが、車が2台必要なので、どなたかご一緒して頂けませんか?との呼び掛けがあっているのをみて、予てから興味のあったコースだったので、早速山旅人さんにメールで照会してみた。
私たち夫婦が歩けるコースなら連れて行って欲しいが、相当の健脚向きコースの様だし、岩登りの経験の無い者でも行けるものか否か。山旅人さんの健脚にはついて行けなくて、足手まといになってもいけないので無理ならば、ハッキリと断って下さいと。

大障子岩から見る祖母山
これに対して、直ぐに次の様な返事があった。
同好会嵐の山行なら確かに歩くのは相当に速いが、私個人で歩く時は、ゆっくりと歩いています。障子岩尾根の名前が付いていますが岩場はありません。私が補助ザイルを念のため持参します。スズタケの手入れも終わり、今では快適な縦走路ですよ。(^^)
楽しい紅葉登山をする予定です。是非ともご一緒しましょう。
このメールで、それなら連れて行って貰おうということになった次第だ。
【11月4日】
八幡西区の自宅を5時に出発、八幡ICから九州自動車道に入り、鳥栖経由で大分自動道を湯布院ICに向う。湯布院ICを6時33分に出る。湯平からは、短い有料道路(150円)を通り、祖母山九合目小屋管理人の加藤さんお勧めのコースで、農業開発道路を通り朝地、緒方町を経て県道7号線を尾平青少年旅行村へと向う。青少年旅行村(640m)着8時11分で、なんと自宅から3時間11分で到着した。
他のメンバーとの待ち合わせ時間は9時15分なので、ユックリと身支度を整える。妻はこのところ歩いていなかったので旅行村の中の坂道で、行ったり来たりとトレーニングをして、黒金尾根の急登に備えていた。(^^ゞ
 9時過ぎには山旅人さんが見えられ、他のメンバーも間もなく到着とのこと。
やがて、全員そろい初対面の若造さんに挨拶して、9時26分ほぼ予定通りの時間に出発し、一旦登山口(610m)迄降りて川上渓谷から黒金尾根へと取り付く。
《このコースは健脚向き/実登1210m/登り約6時間(休まず歩くと5時間弱)と云われている》

先頭は、八太郎さん、次が若造さんその後を私たち夫婦が歩き、しんがりが山旅人さんである。暫く歩くと、八太郎さんの後ろの若造さんがピッタリとくっついて歩くので、ペースが速くなるように感じた。途中沢を渡るところで、たまたま若造さんが後ろに回ったので、ここから私たち夫婦が、八太郎さんの後を歩くことになる。ここからは中々良いペースで、昨年始めてこのコースを登ったときに感じた、キツイ登りも天狗の水場(1420m)迄は息が上がることもなく登れた。
 天狗の水場から約15分程で縦走路(1580m)だ。12時47分に縦走路に飛び出し、ここで昼食大休止する。缶ビールが美味い!(^^ゞ
 昼食後、13時42分祖母山に向けて出発する。今度は先頭を若造さんが務めるが持ち前の長い足なのでペースが早くなる。後ろのほうからもっとユックリとの声がかかる。
昨年も感じたが、縦走路に出るまでより、祖母山までの方がキツク感じるのは私と妻の感想だ。


ブロッケン岩にて
祖母山が見え始めたところで、しんがりを歩く山旅人さんが、祖母山九合目小屋の管理人の「加藤さんが出迎えに来ている」との声がかかり、ホラあそこと云われるが、私達にはよく判らない。しかし、はるかかなたからアット言う間に加藤さんが目の前に現れられてびっくりする。さすが早いと一同感心しきりであった。
途中、ガスが山頂付近に出始めたので、以前に祖母山南の岩場では、霧が出るとブロッケンが現れることを聞いていたので加藤さんに尋ねると、この現象が良く見える岩があるとのことで、そこに連れて行って貰う。
加藤さん命名のブロッケン岩に着くと、前面にガスがあり、背中からの太陽の光線で何度も何度もブロツケンが現れ、カメラにパチリと収めることが出来た。\(^o^)/
ちなみに、北アルプスでは、ブロッケンが見られると天気は下り坂と聞いているが、祖母山でのブロッケンは西が晴れて東に霧がある時なので必ずしも雨になるとは限らないそうで、むしろ晴れる確率が高いとのこと。(現に翌日は絶好の天気となった)
 祖母山山頂(1757m)には15時08分到着。ここでもブロッケンが見られた。記念撮影後、山小屋に向かい15時30分到着する。
 山小屋に着くと何はともあれ寝る場所を確保し、直ちに宴会の準備にとりかかる。各自が持参した焼肉料理他の料理を食べ、飲み物もビール、日本酒、ウイスキー、焼酎があり、加藤さんを囲んで一気に盛り上った。(^_^)
この日の泊り客は27名で山小屋は大賑わいであったが、この中に長崎から見えたというグループの方が、青少年旅行村に駐車していた車の「やまびこ会のステッカー」を見ましたとの話を聞きご挨拶をする。楽しいお酒により何時に寝たかわからないほど、スッカリ出来上がりグッスリと休むことが出来た。(^_^;)


祖母山頂にて
左より、若造さん、山ひとすじ(前列)、
八太郎さん、山ふたすじ、山旅人さん

祖母山頂より見る天狗
【11月5日】
 祖母山九合目小屋を6時30分出発する。7時09分宮原(1402m)着、少休止のあと池の原へ。
池の原(1433m)から30分弱歩いたところで切り立った瘠せ尾根に出る。鹿ノ背と言うらしいが両側が切り立った崖で、おっかなびっくりしていると、山旅人さんが、すかさずザイルを出されて先に行かれ、若造さんに確保させ、山ひとすじ夫婦、八太郎さんの順で通過、最後に若造さんがザイルを回収して続かれた。
後で聞くところによると、あそこはザイルを出しても不思議ではないところとのことであった。雨の後など岩が濡れている時は特にザイルは必要でないかと感じた。

大障子岩にて(山ひとすじ)
この後、八丁越を8時55分通過し、大障子岩(1458m)に9時33分到着。ピークからの祖母山方面の展望は素晴らしく圧巻である。9時45分大障子岩を出発し途中昼食のため50分程大休止して、前障子岩の取り付きに11時50分着く。ここでも山旅人さんが、すかさずザイルを出されて先に行かれ、若造さんに確保させ、山ひとすじ夫婦、八太郎さんの順で通過して前障子岩(1409m)のピークに向かった。
前障子岩からの眺望も素晴らしく、今まで歩いてきた岩峰、山稜を重ねながら盟主祖母山へと高まる光景は仙境の感があった。
この後、ここから一気に標高差1000mの下りを約2時間歩き、上畑(420m)に14時54分到着する。
途中、前から悪い右膝が痛み出すが、何とか下山できた。
この縦走路は見た目よりはアップダウンが多くて累積標高差1800mの下りでハードなコースであった。
下山後は、上畑にデポしていた若造さんの車で青少年旅行村に向かった。帰路湯平温泉の共同浴場で入浴して家路にと向かった。
終わりに
今回の登山は、山旅人さんという大ベテランリーダーと一緒で、貴重な岩場通過の経験をさせて貰った。また、素晴らしい天候とパートナーに恵まれて楽しく、安全な登山が出来たことを喜んでいる。
盛りを過ぎたとはいえ、そこかしこで観られた紅葉も素晴らしかった。
【紀行文:山ひとすじ】

前障子岩にて(山旅人さん)

前障子岩から祖母山方面

紅葉も楽しむ