北アルプス(後立山・裏銀座・雲の平)縦走
                        (2004年・夏)

 今年の夏山遠征は、後立山連峰【唐松岳から五竜岳・鹿島槍ヶ岳を経て針ノ木岳に至る山稜を云う】を計画はしていました。
ところが、山ひとすじが7月初めから右膝が痛くなり、直前まで様子をみていましたが、直前の19日のリハビリ登山で、長期の縦走は今一つ自信がもてないため、結局今夏は見送りにしました。

 しかし、山ふたすじだけは、丁度他の山仲間が23日出発で、北アルプス方面に出かけることになっていたため、これに同行させてもらうことになりました。
 今回の山行のメンバーは、北九州山岳同好会嵐の山旅人、九州さんらく会のやまめ11、きょん(敬称略)、山ふたすじの4名です。

ということで、山ふたすじが撮影してきた画像と、山旅人さんの提供の画像をもとにレポートを作成しました。 
山行コースタイムについて
歩行時間はメンバーや個人差がありますので、参考程度にして下さい。
第1日目(7月23日・金) 移動日 (歩行2.5q 1時間13分)
 小倉06:41→のぞみ2号→09:45名古屋10:00→11:59松本12:34→しなの7号13:05信濃大町
 信濃大町から扇沢まではタクシーで移動。
扇沢14:23→14:59沢15:07→15:36大沢小屋
信濃大町駅から扇沢までバスで約35分だが、タクシーで向かう。
扇沢バスターミナル(1420m)
扇沢バスターミナルから左の車道を進み登山道へと入る。
左の画像は今回の同行者の皆さん。
針の木自然歩道から、鳴沢を渡り、ブナの緑が美しい樹林帯へと進む。

左の画像はスバリ岳方面
大沢小屋(1680m)は、樹林に囲まれた小さな小屋。
(参考事項)
 事前の予約が必要。
 昼弁当は作らない。
 朝食時間6時〜
第2日目(7月24日・) (歩行9q 9時間)
 
大沢小屋05:40→06:15渡渉点06:25→07:10雪渓07:18→08:05休憩08:10→08:20鉢ノ木峠09:00→10:08蓮華岳10:22→11:22北葛乗越11:40→12:25休憩12:30→12:43北葛岳→13:20七倉乗越13:30→14:30七倉岳→14:40船窪小屋
日本三大雪渓の一つとして知られる針の木雪渓から、コマクサが美しい蓮華岳へ登り、七倉岳へと縦走するコース。後立山連峰の中でも最も登山者が少ない山域です。
小屋を出発すると、しばらく樹林帯が続き、明るく開けた河原に出ると、針の木雪渓が正面に眺められる。
今年の雪渓は異常に少ないそうだ。
一部軽アイゼンをつけて歩いた。
雪渓の上は夏でも涼しい。
雪渓が細くなった所は通称「ノド」と呼ばれていて、クレバス状になっていて注意して通過した。
雪融け水が勢い良く流れる渡渉点。
山旅人さんのストックを借りて渡渉しました。
今年は花が早かったそうで、途中盛りを過ぎたキヌガサソウが見られました。
初夏の頃や残雪が多い年には峠の直下まで雪渓が続いているそうです。
砂礫の傾斜に出て、ジグザグに頑張り、針の木峠(2536m)に到着。

左の画像は針の木峠に建つ針の木小屋。奥の山は、針の木岳。

針の木峠からの展望。これから歩く北葛岳・船窪岳・不動岳・南沢岳も見えていた。
真ん中右奥には槍ヶ岳も遠望出来た。
針の木峠からこれから向かう蓮華岳方面。


針の木峠から急登を頑張り、広々としたハイマツ帯に出る。後方を振り返ると針の木岳や、スバリ岳が美しい。峠には針の木小屋が小さく見下ろせていた。
ハクサンシャクナゲが咲いていました。
蓮華岳までの岩礫の明るい尾根路が続く。途中高山植物の女王コマクサの群落が目を楽しませてくれた。
左の画像はこれから向かう蓮華岳。
蓮華岳(2799m)山頂で記念撮影。
急坂を登り返し、ハイマツの尾根に出る。
右後方には針の木岳から蓮華岳に連なる景色が眺められる。

左の花はミヤマムラサキ。
この先七倉岳までアップダウンの激しい難路が待っていた。
縦走路は蓮華岳山頂で南に折れ、岩屑の急斜面を下る。この下降が「蓮華の大下り」と呼ばれ500m強を一気に下る。
北葛乗越に下るまでの間がコース中、最大の悪路。岩屑の露岩帯は滑りやすいので慎重に下る。
痩せた岩稜には長い木の梯子や鎖がある。
しばらく下ると、稜線上に険しい岩峰が現れる。
悪路を下った所が北葛乗越。平坦地でほっと小休止する。
コースは北葛岳山頂(2551m)で南西に向かう。
ハイマツ帯から、ダケカンバ帯に入り七倉乗越へと進む。
七倉乗越(2190m)。
七倉乗越付近の七倉沢側は常時激しく崩壊している。
乗越から鉄梯子等を伝わって登りかえす。
七倉岳(2509m)は山頂を示す標識がなければ通過してしまうほど目立たないピーク。
山頂直下から右に分岐するコースは、明日歩く不動岳方面への道。
七倉岳から稜線を10分ほど下れば船窪小屋(2460m)に着く。
七倉尾根の好展望地に立つ小屋で、裏銀座コースの山々や槍ヶ岳の眺望に恵まれている。
ミネウスユキソウが咲いていました。
船窪小屋はランプの宿でした。

食事も美味しく、管理人ご夫妻をはじめ従業員の方も大変素晴らしい方々でした。