甲斐駒ケ岳は、赤石山脈北端に位置する日本アルプス屈指の名峰です。黒っぽい山が多い南アルプスでは例外的に、花崗岩の白い山肌をしており、ピラミダルな鋭鋒をもつ個性的な山です。 古くから信仰の対象とされ、多くの石碑や石仏が残る霊山でもあります。主な登山コースは、黒戸尾根コースと北沢峠から登るコースの2つです。 甲斐駒ヶ岳は1998年7月南アルプス北部をテントを担いで縦走したときに歩いたことがあります。このときは北沢峠からのピストンでした。 その後、山ふたすじは一度黒戸尾根から登ってみたいと何度も言っていましたが、黒戸尾根からのコースは登山口(竹字駒ヶ岳神社)から頂上までの標高差が約2200mもあり、日本三大急登の一つとされています。 ひとすじは数年前から右膝痛が出るようになった為敬遠していましたが、歳をとってくると行けるうちに行っておかないと行けなくなると思い、思い切って出かけることにしました。(*^_^*) |
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今回歩いたコースの断面図です。 |
第1日目 7月30(火) 移動日 | |
例年なら梅雨明け10日は天候が安定するので、その時期で山中での山小屋の混雑が比較的少ない平日になるように計画して出発しています。今年の夏の天気は梅雨明けが非常に早かったのですが、その後の天候が不順で、当初21日出発で計画していましたが、ズルズルと延期して、今回は30日の火曜日に出発しました。 平日出発なので高速道路の料金を半額にするには、4時までにICを通過しなければならないため、自宅を3時20分過ぎに出て八幡ICから高速道路に乗り、登山口近くの小淵沢IC迄約930kmを休憩を取りながら走りました。 小淵沢ICから尾白川渓谷駐車場迄一般道路を約40分走り、途中コンビニに立ち寄り買い物をして17時前に到着しました。時間も余裕があり近くの「尾白の湯」で入浴して、尾白川渓谷駐車場で車中泊しました。 |
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尾白川渓谷駐車場に向かう途中で撮影した甲斐駒ケ岳方面に真っ直ぐに伸びるべるが通り。 この道路は山頂に向かう途中からもそれと判りました。 |
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駒ケ岳神社市営駐車場は無料です。トイレもあり、約100台駐車可。 | |
尾白の湯 尾白の湯の露天風呂には、2つの浴槽があります。1つは、赤茶色、もうひとつは透明。 赤茶色のほうは源泉100%。透明な方は、源泉を名水で10%に薄めたものだそうです。 |
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第2日目 7月31日(水) 尾白川渓谷駐車場5:23→5.30竹宇駒ヶ岳神社→7:17笹の平7:25→10:13刀利天狗10:19→11:11 五合目小屋跡11:40→12:45七丈小屋(2380m)13:00→13:54八合目御来迎場13:57→15:04 甲斐駒ケ岳(2967m)15:07→16:36駒津峰(2752m)→17:30仙水峠(2264m)17:34→18:25 仙水小屋(2130m) |
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尾白川渓谷駐車場横の登山口です。この奥にキャンプ場があります。 | |
キャンプ場を通り抜けると竹宇(ちくう)駒ヶ岳神社に出ます。 | |
神社を通り抜けて尾白川渓谷に架かる立派な吊り橋を渡ります。 | |
吊り橋を渡ると直ぐに急登が始まり、しばらくは樹林帯の中の登りがひたすら続きます。 登山道はよく整備されています。 展望のない樹林帯の中をひたすら登って行きます。 展望が開けるところからは、鳳凰三山の地蔵ヶ岳のピークが見え、その後方に富士山も見えるとのことで期待していましたが、ここを通過する頃はガスがかかっていて何も見えませんでした。 |
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「刃渡り」と呼ばれる両側が鋭く切れ落ちている岩場の箇所に出る。岩の上には鎖が張られており、慎重に歩けば特に問題はありません。 刃渡りを通過してすぐに岩のやせ尾根を通過します。左側は切れ落ちていますが注意して歩けば問題ありません。 |
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刃渡りを越えると再び樹林帯に入ります。 | |
刀利天狗 | |
黒戸山(2254m)を登ったところで一旦100m程度下り、黒戸山と屏風岩の鞍部へと下りると五合目小屋跡に辿り着きます。 | |
五合目小屋跡から見上げると屏風岩の奥に、甲斐駒ヶ岳の山頂付近が頭を出している。 一休みしたあと出発する。ここからは梯子や鎖がかけられている箇所が連続して出て来ます。 |
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いよいよ屏風岩急登です 。 張り出して 庇のようになった岩の下には 祠が祀られていました。 ここの右側の梯子を登ることになります。 |
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ほぼ垂直な梯もあり。高度感があります。 梯子とともに鎖場も連続しています。 |
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梯子の後の鎖場が黒戸尾根ルートの中でも高度感たっぷりの所で、慎重に登って行きました。 鎖場を登りきるとトラバースがあります。左側は切れ落ちているので慎重に通過します。 五合目小屋から急登を進むこと約1時間、もう少し厳しいところが続くかと思っていたら、あっけなく七丈小屋が見えてきました。 |
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左の画像は七丈小屋です。 当初の計画では、この日はここに宿泊予定で、翌日に甲斐駒ケ岳に登り、仙水峠を経て早川尾根を歩き、早川尾根小屋に宿泊する予定でした。 しかし、宿泊の手続きをしようとしたら、明日は天気は崩れて雨が降るとの管理人さんの言葉。(-_-;) さあてどうする! 雨の中を登るのは嫌だが、甲斐駒ケ岳には登りたいこと。 もう一組、明日甲斐駒ヶ岳に登りるというご夫婦がいらっしゃいましたが、このご夫婦はこれから空身で甲斐駒ケ岳をピストンして、七丈小屋に泊り、明日登ってきた道を引き返すと聞きました。 私たちは雨の中、今登って来た道を引き返すのも嫌なので、早川尾根への縦走は今回は断念することにしました。そして予定を変更して今日のうちに甲斐駒ケ岳に登り、そのまま仙水峠を経て仙水小屋迄行くことにしました。 小屋の管理人さんが、それなら10分でも早く出発した方が良いとのアドバイスで、直ぐに出発しました。 |
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七丈小屋の直ぐ上のテント場からは、鳳凰三山が見えていました。 | |
七丈小屋から1時間ほどかけて八合目御来迎場に到着。 御来迎場からの展望は素晴らしいのですが、景色は少しだけ見て直ぐに山頂を目指しました。 |
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鋸岳 | |
丁度岩登りをされる方がいらっしゃって、ここは有名な石室だとお聞きしました。 八合目岩小屋? 8丈岩小舎?というのかな? |
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木の間越に見えていた北岳 | |
仙丈ヶ岳 | |
途中見えていた2本の剣が眼前に見える。 | |
摩利支天の奥の山脈は北岳その奥は間ノ岳、さらにその右奥は塩見岳です。 | |
九合目の岩場を回りこむと、駒ケ岳神社が見えてきます。 | |
ここには数多くの石碑や剣、さらに立派な大仏様まで建立されています。 | |
山頂への分岐点 | |
甲斐駒ケ岳頂上の御社。 | |
摩利支天がドーム型の姿をみせていた。 | |
下山途中、甲斐駒ケ岳を振り返って見る。 | |
駒津峰への最後の急坂を頑張って登る。 足場の悪い樹林帯をグングン下る。 明日縦走する予定であった右から栗沢山、アサヨ峰等の早川尾根。さらにその左手には鳳凰三山が見えていました。 |
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ホシガラスは子育てしているのか、盛んに虫などをくわえて飛び回っていました。 | |
駒津峰から大きな石がゴロゴロと山にへばり付いている独特の景色である仙水峠に到着。 ここまで来れば明るいうちになんとか仙水小屋迄行けると一安心です。 |
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北沢峠から しばらくゴーロを歩き樹林帯に入る。沢の音が近づき小屋の屋根が見えたら仙水小屋だった。 小屋前の水場からは手が切れるような冷たい水が出ています。 仙水小屋は予約以外の宿泊不可となっている。 急きょ予定を変更して下山して来たこと、時間も日暮れが迫っていることから、小屋の方に交渉して、特段のご配慮頂き宿泊させて頂きました。 |
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第3日目 8月01日(木) |
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仙水小屋は19時消灯で翌朝は午前3時が起床時間となっています。 夜中にトイレに起きたとき、空を見ると午前1時位迄は星空でした。 予定を変更してしまったけれど、ひょっとしたら予定変更は間違いだったかなぁ・・・と思いながら起床時間を待ちました。 起床時間を過ぎたころから雨が降り出しました。 明るくなるのを待って、小雨の中を沢沿いの道を北沢峠へと下山しました。 |
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甲府駅からJRで日野春へ向かいました。 日野春駅からタクシーで尾白川渓谷駐車場に行き車を回収しました。 タクシー代は3680円 約20分 |
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車を回収した後、初日にも利用した尾白の湯へ行き、汗と疲れを落としました。 尾白の湯で夕方迄ゆっくりと休憩した後、国道20号線を走り小淵沢IC近くの道の駅信州蔦木宿へ向かい(12㎞約33分)そのまま駐車場で車中泊しました。 |
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第4日目 8月02日(金) 移動日 翌朝3時に起床し小淵沢ICから高速道路に入り帰途につき、途中休憩しながら17時頃に帰宅しました。 |
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今回の山行を終わって 縦走に備えて、福智山へザックを重くして山ふたすじとトレーニングをしていましたが、7月12日長い距離を歩いた後から、もともと悪い右膝に少し違和感を覚えました。その後出発までひとすじはトレーニングなしで今回の山行に出発したため、膝痛が出ないか心配でした。 膝痛は出なかったものの、登山口から標高差で1000m程登った標高1800m辺りから、左大腿部が攣り始めました。 梅干を食べたり、ポカリスェット飲んだり、塩をなめたり、痛み止めの薬などを飲んで、何度も休憩して少しずつ登って行きました。標高2000mを超えた頃から左大腿部が攣るのは治まってきました。 そして5合目小屋跡で昼食大休止が良かったのか、左大腿部が攣るのは治まりました。 トレーニングなしで山行に出発したのはやはりまずかったようです。(*^_^*) 予定を変更して長くなった約13時間の山行は、足が攣ったわりには良く歩けたと思います。山ふたすじも長時間の山行で下山の途中、一度右大腿部が攣った様ですが、薬などを飲んでその後は大丈夫でした。 日本の三大急登には、烏帽子岳のブナ立尾根は標高差が約1600m。谷川岳西黒尾根は標高差が1300m。それと今回歩いた甲斐駒ヶ岳の黒戸尾根コースは標高差が2200m以上ありトップの様です。 こんな状況で、今回仙水小屋迄も高年夫婦が歩けたということは自信が持てました。 |
タマガワホトトギス |
ギンリョウソウ |
? |
キソチドリ? |
ハクサンオミナエシ? |
クルマユリ |
ママコナ |
クロクモソウ |
アキノキリンソウ |
ゴゼンタチバナ |
ミヤマダイコンソウ |
ハクサンオミナエシ? |
キバナノコマノツメ |
タカネコウリンカ |
ミヤマコゴメグサ |
ハクサンシャクナゲ |