朝日・飯豊連峰の山を訪ねて(2002年7月)

 昨夏、南アルプス南部を歩いた。
少しでも体力のあるうちに、山小屋はあるものの、素泊まりのみで、食料や寝具を持参する必要のある山域の、東北方面に今夏は出かけることとした。
 今回は現地での交通の便も考えて、マイカーを利用しての計画を立てた。
 今回の最大の懸案は飯豊連峰を
小国側の天狗平から登山縦走し、川入りへ下山するが、車の回収または回送をどうするかであった。

 飯豊朝日連峰の登山者情報のHPをアップされている井上氏に相談したところ、ご助言を頂き当初の計画通りの縦走が出来たことを感謝致します。

今回の参加者は山ふたすじとその友人に、山ひとすじの3名でした。

第1日目(7月22日・月)
 九州は21日梅雨が明けた。東北は未だ明けていない。台風9号が気になっていたところ、10号・11号と次々と発生してしまった。が、11号は西へ向かい、10号は、まだ遙かかなたの海上にあり、山から下山する28日までは大丈夫だろうとの推測をして出発する。
 新門司港1830分発のフェリー「せっつ」で、神戸へ向けて出航。船の中で東北南部が梅雨が明けたことをテレビで知った。

第2日目(7月23日・火)
 0630分神戸港→阪神都市高速・西宮IC・名神・北陸・新潟・聖籠新発田ICR7荒川町→R113→R287を通り朝日鉱泉ナチュラリストの家に17時50分に到着。
 フェリーは月曜日ということで、混んでいなくて快適であったが、北九州市の自宅から約25時間の長旅であった。

山行コースタイムについて
 最近中高年登山者が増え、昭文社の地図で設定されているコースタイムでは歩けない人が多いらしい。
1999年版と2002年版の地図では所用時間が大幅に変更されており、計画を立てる段階で、どちらが本当なのか非常に迷った。山渓社発行の2002山の便利帳などの時間も参考にしながら、計画を立てた。
 私たちの山歩きは、風景や花の写真などを撮影しながら楽しんで歩くので、ただひたすらに歩くのと違い、時間がかかることになるが、今回の場合、おおむね1999年版の時間で歩けたようです。
しかし、歩行時間は個人差がありますので、参考程度にして下さい。
 ちなみに、ナチュラリストの家の管理人の西崎さん(深田久弥の百名山の紹介ビデオに登場されている方)に夕食時に、おおよその所用タイムを尋ねましたが、大朝日の小屋までは貴方達なら、絶対10時間はかかりますと云われましたが、約8時間で登れました。
フェリーせっつ
今回利用した阪急フェリー「せっつ」
朝日鉱泉の宿舎朝日鉱泉ナチュラリストの家
朝日鉱泉から見える大朝日岳
朝日鉱泉から見える大朝日岳

朝日連峰概念図



今回の山行で見かけた花たちは、こちらからどうぞ。
朝日連峰周遊
 朝日連峰は、主峰・大朝日岳を中心に越後山脈の最北端に位置し、山形県と新潟県にまたがる東西30km、南北60kmに及ぶ広大な山域である。
標高は2000mに満たないが、日本海側に面しているため、冬は季節風の影響で日本有数の豪雪地帯で、夏は遅くまで山肌に雪が融けずに残る。7月上旬から8月にかけては、多くの高山植物が登山者の目を楽しませてくれる。
 山腹にはブナやナラのうっそうとした原生林が広がり、原始の面影を今にも留めている数少ない山域で、今回の山行もお花と景色を楽しむのが目的で計画したものだ。
第3日目(7月24日・水)(歩行距離 11.5km  所要タイム 7時間57分)
朝日鉱泉(標高550m。以下同じ)4時59分→6時55分鳥原湿原水場7時06分
鳥原山
(1430m)9時08分→10時39分小朝日岳(1647m)10時53分12時10分銀玉水
12時21分
12時56分大朝日小屋
最初の吊橋  宿泊した朝日鉱泉は明治9年に開湯した歴史ある宿で、一時休業していたが、現在は西沢夫妻が管理する「朝日鉱泉ナチュラリストの家」として再開され、多くの登山者に貴重な鉱泉旅館として利用されている。
 
 この朝日鉱泉の駐車場脇を下り、水力発電所の横の吊橋を渡ると登山道が始まる。
 
薄暗い樹林の急坂が暫く続くが花を見たり、周囲の景色を楽しみながらユックリ登って行った。
ガスの切れ間から見える大朝日岳  鳥原山の展望台からは、前方には大朝日岳とY字雪渓も一段と大きくその姿を現す。絶好の展望台であるが、この日は朝早くは、ガスがかかっていたのでガスの切れ間から大朝日岳が見られ、雪渓の上付近には大朝日小屋が見えていた。
小朝日岳からの展望
後もう少し  尾根道の直ぐ脇には、朝日連峰の名水・銀玉水が湧き出ていた。
水量は少ないが夏にも涸れることのない冷たい名水だそうだ。
 この少し手前で、丁度通りかかった地元の人から、大朝日小屋はビール等は販売していないと聞いて、ガックリして、ここで咽喉を思い切り潤して行く。(^_-)-☆
 タオルを水で洗い、絞ると手が切れるように冷たかった。
銀名水上から今日歩いてきた道を振り返る
銀玉水は人がいるところの直ぐ下に湧き出していた
大朝日小屋  予定より2時間も早く大朝日小屋に到着する。
避難小屋のため自炊となるが、夏季には管理人が常駐していて、トイレも簡易水洗で、清潔で快適な一夜が過ごせた。
 水は
10分ほど中岳方面に下った金玉水で得られる。

 早立ち早着の鉄則どおり、13時前には小屋に着いたので、周囲の花などを見て周りユックリと過ごした。
小屋から西朝日岳方面を望む 小屋より西朝日岳方面。
この下に金玉水がある。