屋久島を訪ねて(2002年11月 2日〜4日)

 コバルトブルーの海に浮かぶ周囲132kmの豊かな自然につつまれた屋久島は、屋久杉の名で広く知られるように、千古の原生林におおわれている。樹齢千年を超える屋久杉が林立し、中でも樹齢7200年?の縄文杉は、訪れる人に大きな感動を与る。
 島の中央部には九州最高峰1936mの宮之浦岳をはじめ、永田岳・安房岳など峻険な峰々が並んで洋上アルプスとも云われている。
 海岸近くは亜熱帯的気候を特徴とし、中間山岳地帯の温暖性雲帯林帯で、うっそうとした樹林帯が広がる。1800mを超えると亜高山帯となり、高山植物もみられ、日本列島の縮図を見ることが出来る島で1993年世界遺産として登録されている。
 この島は、月に35日雨が降ると云われる。過去に山ふたすじが2回、私が1回出かけているが、何れも1日は、雨の洗礼を受けている。さて、今回は???
行程(参考コースタイム)
 2日 自宅出発(3:30)〜鹿児島港(8:00/9:50)〜安房港(12:25)〜安房(13:40)〜紀元杉(14:25/14:45)
     〜淀川登山口(15:10/15:18)〜淀川小屋(15:50)(テント泊)
 3日 淀川小屋(6:55)〜展望所にて休憩(7:44/7:55)〜小花之江河(8:20/8:25)〜花之江河(8:30/8:35)
     〜黒味岳分岐(8:52)〜黒味岳(9:22)〜黒味岳分岐(9:42/9:52)〜投石平(10:00)〜宮之浦岳
     (12:10/12:20)〜平石(12:50)〜平石岩屋にて休憩(13:05/13:20)〜新高塚小屋(14:35)(テント泊)
 4日 新高塚小屋(06:10)〜高塚小屋(7:20/7:30)〜縄文杉(7:40/7:50)〜ウィルソン株(8:50/8:55)〜
     大株歩道入口(9:15)〜楠川別れ(10:20)〜辻峠(11:00/11:10)〜白谷雲水峡(12:00/12:10)〜
     楠川温泉(12:30/13:35)〜宮之浦港(13:45)〜鹿児島港(18:40/20:30)〜自宅(00:25)

参加者(10名)
さんらく会会員
 
遊也・やまめ11・ヤッピー・たか・キョン・ゆき・うさぎ・ひふみん・山ふたすじ・山ひとすじ
第1日目(11月 2日)
 早朝3時半に自宅を出て、途中待ち合わせ場所でひらって貰い九州自動車道路を南下し鹿児島港に向かった。
鹿児島市ICを07時10分に出る。市内で朝食を摂り、鹿児島港に到着。ここで高速艇トッピーを待つ。
この時点では天候は晴れていた。

鹿児島港から見る桜島

高速艇トッピー(飛魚)
 波が高く定刻を遅れて屋久島安房港へ出航。、錦江湾を出た途端、荒れ模様で、乗船客の中には船酔いしている人が見かけられたが、流石メンバーは全員元気だった。

 高速艇トッピー(時速80qで海面を浮上走行する)の1階前方で正面からせまってくる屋久島の遠景が見られるとのことで期待していたが、近づくに連れて天候は悪くなり、中腹より上はガスの中だった。

 船は20分遅れで到着後。直ちに昼食。

屋久島安房港横の記念碑

太忠岳屹立した天柱石は40mあるとか

紀元杉まで、タクシーに分乗。ここから重いザックを背負って出発(ヤッピーさん撮影)

紀元杉
 樹齢(推定)3000年、根回り30m、胸高囲13.5m
安房林道沿い、標高1230mの所にある。
 上部にはシャクナゲ、ヒカゲツツジ、ナナカマドなどの着生樹が付いていて、四季相応の彩りを見せる。

川上杉
 樹齢約2000年、胸高囲8.9m、樹高27.0m。
安房林道沿い、標高1280mの所にある。
 名前の由来は、林道建設の際にこの銘木を残す為に計画を変更した担当者から取ったと云う。

淀川登山口
宮之浦岳縦走の起点で、安房から23.5km、車で1時間30分の安房林道の終点近くの地点にあり、標高1360m。これから淀川小屋までなだらかな登山道を歩く。

淀川小屋の直ぐ横にある鉄橋
明日はここから登山していくので下見に出かけた。
下の画像のように見事な紅葉が見られた。

淀川小屋(淀川は、よどごうと読む)標高1360m
淀川源流脇の広場にある。 テラス付きの完全ログハウス仕様。収容人数約40名。トイレ付き。
小屋前にはテントを5張ほど張れる広場もある。

丁度この日からの3連休で小屋は勿論。テント場も張る場所を探すのに一苦労するほどの盛況だったが、先発隊が素早く3張り分の場所を確保し、その横にシートを張り晩餐を楽しむ。(^^♪(ヤッピーさん撮影)
第2日目(11月 3日)

 前夜も時おり雨が降っていた。朝食の雑炊を食べて、6時55分出発。時おり雨が降ったり、晴れたりまた降ったりと天気は定まらない。7時20分頃から霰が降り出した。小花之江河〜花之江河を通過した8時半頃は、束の間の晴れ間が出た。


 夜中に雷を伴った霰・雹?などが降り吃驚した。
テントを板張りの上に設営したので、テントへの水の浸入などがなく、安心出来て幸いだった。

ヒメシャラと紅葉

高盤展望台

高盤岳(標高1711m)を望める展望台。山頂の岩をトーフ岩といい,名前の通りトーフを切ったような形をしています。これは花崗岩が侵食,風化してできたものだそうです。

小花之江河
高盤岳展望台から約15分。少し行くと下りになり,突然,空がひらけて美しい高層湿原に着く。日本では最も南の高層湿原で,花之江河よりも小規模ですが,景観は勝るとも劣らない。

花之江河
標高1630m。泥炭層の湿原地で、日本最南端の高層湿原。小花之江河から徒歩15分の距離にあり、宮之浦歩道、尾之間歩道、安房歩道、栗生歩道(及び湯泊歩道)が合流する交差点となっている。

黒味岳(1831m)花之江河から眺めた黒味岳。
花之江河から約15分で黒味岳分岐に着く。黒味岳山頂はそこから約30分。頂上は露岩からなり、眼下に花之江河が望まれる所だがガスが急に湧いて来て良く見えなかった。

黒味岳山頂で
強風に加え、急にガスに包まれて早々に下山した

投石平
ここもガスの中で何も見えない

栗生岳(1867m)
強風に加え霙もふり寒い。岩陰で行動食を摂る

宮之浦岳山頂での記念撮影
一帯は、ヤクザザ(ヤクシマタケ)にびっしり覆われている(ヤッピーさん撮影)

宮之浦岳(1936m)

九州の最高峰。強風が吹き荒れ気温2℃。体感温度は氷点下の世界、記念撮影後早々に下山する。

焼野三叉路
永田岳の展望も全くなし。残念無念。

ヤクザサの中を下る

ガスの切れ間に見えた景色
新高塚小屋横のテント場
 標高1460mの所にある。
 本日の予定は高塚小屋までの予定であったが、メンバーの疲れと、テント場や水場などを考え、新高塚小屋横の板張りのテント場にテントを設営した。
結果としては、この後の天候も考えると幸いした。

 小屋の横では鹿がすみついているようで、直ぐ近くまで寄ってきた。