北アルプス・後立山連峰縦走(2005年・夏)

 北アルプス北部は8年前に一度歩いたことがあります
 後立山連峰(唐松岳から五竜岳・鹿島槍ヶ岳を経て針ノ木岳に至る山稜を云う)は計画はしていたものの、他に行きたい所も多く、元気なうちに体力の必要な山を先に歩こうということで、南アルプスなどに出かけていました。
 昨年6月末から、ひとすじは右膝が痛くなり、昨年・今年と夏山遠征は見送ることになり、山ふたすじが友人と2人で、一気に後立山連峰を縦走することになりました。

 八方尾根から針の木岳への縦走は、前半が唐松岳、五竜岳、間に八峰キレットの難所の通過をはさみ、双耳峰の雄大な山容を誇る鹿島槍ヶ岳へと続く豪快な岩稜地帯の通過する。
後半は爺ガ岳、種池周辺から新越乗越にかけての草原とシラビソの林が広がる穏やかな景観から、鳴沢岳、赤沢岳、スバリ岳、そして針の木岳へは、再び岩稜地帯となり、、最後は針の木雪渓を下る。
 また、変化に富んだ縦走路とともに、剣・立山連峰の移り変わっていく姿も大きな楽しみと云われています。

第1日目(7月22日・金) 移動日
 引野口21:40 夜行バス(どんたく号)で、名古屋に向けて出発する。
 バスの運転手さんに、名古屋でJRとの乗り継ぎ時間が15分しかないことを告げておくと、途中の休憩タイムなどで時間調整して遅れないように走行してくれます。

第2日目(7月23日・土) (5.7㎞ 歩行3時間15分)
 
07:45名古屋バスセンター着(この日は到着が遅れ乗換えが10分しかないので焦ったが、何とか間に合った。)
 名古屋08:00→(ワイドビュー)しなの3号→09:49塩尻10:13→11:25白馬

 白馬駅からゴンドラ乗り場迄は乗り入れているバスがあった。
 ゴンドラと、2本のリフトを乗り継いで八方池山荘まで一気に登る。八方池山荘へ(12:25着)
 ゴンドラに乗ってからガスがかかった。ゴンドラの下は美しいお花畑。

 八方池山荘(12:37) → 第3ケルン(八方池2086m)(13:27) → 丸山ケルン(2460m) → 唐松岳2696m →
 唐松岳頂上山荘(15:52)
 八方池山荘から整備された登山道を稜線通しに第3ケルンに向かう。ガスで周りは殆んど見えず、一寸切れたときに、白馬三山の雪渓が見えた。
雪渓が遅くまで残っていたらしく、何時もは見られないサンカヨウの花が沢山見られた。
また、可愛い八方センプリ(初めて見た)や、ミヤマムラサキのブルーの花、鮮やかなオオサクラソウの赤、オオコメツツジ等本当に花の宝庫だ。
八方池
 八方尾根上部で尾根が細くなって、岩の崩壊地を通ると唐松岳頂上山荘の前に出る。
宿泊の手続きをして空身で唐松岳を目指す予定であったが、前回も唐松岳は来ており、ガスで景色も見えないのでパスをすることにした。
前回はここのテント場にテントを設営した。
 唐松山荘は、八方から簡単に来れるため、宿泊客(観光客も)が多く夜遅くまで騒いでいる人もいたようだ。
ここでは、水は全て有料で、飲料水は500ml、300円、それ以外は1ℓ、150円だ。
食事も、水を使用しなくて済むようなものが多く、皿も全て使い捨て容器だ。
洗面の水も各自で用意しなくてはならなかった。
第3日目 7月24日・日 (7.0㎞ 歩行7時間35分)
 唐松岳頂上山荘(05:38) → 五竜山荘(07:51/08:02) → 五竜岳2814m (09:00/09:46) →
 北尾根の頭(11:30/11:45) →  口ノ沢のコル(12:00) → キレット(小屋13:13)
朝は晴れていたので期待して出発する。
出発して振り返ってみると唐松山荘が見える。
正面に主稜線、右に黒部と谷を隔てて剱岳、左に雲海湧く安曇野を眺めながら雲上を行く雄大で楽しいコースで、時々雲海の上に雪渓の沢山残った立山、剱連山が美しい。


 鎖場のある牛首の岩場を越え、稜線上の登降を繰り返すと、五龍岳が大きくなる。
 白岳の肩を越えると五竜山荘が足元に見える。左の尾根は遠見尾根。

 五竜山荘で少し休憩する。台風が近づいているようだ、小雨がぱらついてくる。
   五竜岳の登りは、遠くから見た姿そのままの迫力ある岩の登りだ。1時間ほど頑張ると五竜岳山頂への分岐に出る。
 山頂は東西に長く、頂上からの展望は雄大で、剱岳の勇姿と鹿島槍ヶ岳の双耳峰が印象的に見えるはずだったが、残念ながらガスのため、あまり見えない。
気持ちが良いので、コーヒータイム等をして40分も長居をしてしまった。
  山頂からは分岐に戻り右に行く。岩礫帯のジグザグの急降下りになる。滑ったり落石を起こさないように足元に注意して歩く。
1時間以上下ったところで空身の男性が反対から歩いてきて、「水を分けて下さい」とのこと。分岐で間違って五龍岳往復のところを、キレット方面迄行ったようだ。後でキレット小屋で聞くと案外間違える人がいるようだ。
この岩場を又戻るのは大変だろうと皆と話しながら先を急いだ。
 しばらく、進むと北アルプスでは珍しい、ウルップ草の群落があった。盛りは過ぎていたが、青紫の美しい花が疲れを癒してくれた。
  G4、G5、北尾根ノ頭とやせた稜線のピークを越えていく。チシマギキョウが咲き心を和ませてくれる。
丁度ガスが晴れて鹿島槍ヶ岳が綺麗に顔を出してくれ一同感激。
 又アップダウンを繰り返しながら、うんざりしていると、鎖場を越え小さな岩場を回りこむと、急に目の前にキレットの谷間に今日の宿のキレット小屋が建っていた。
 ガスが時々晴れると、剱連峰が見えていた。
 キレット小屋は、平成元年に建て替わったそうです。縦走者も通過者が多く、あまり泊まる人もいないようだ。
そのため水は少ないがきちんと消毒されて宿泊客には無料で頂けてあり難い。
とても感じの良い小屋で、食事も手作りで美味しかった。
この日の宿泊は11名でゆっくり宿泊できた。